坂本九さんの事

人生の中で、一瞬の出来事だけど、鮮明に覚えている事って有りますよね!
僕の中でそのひとつが、坂本九さんの事です。

もう40年近い前で、僕がプロになって間もない頃です。
場所は記憶にないのですが、僕らの演奏の後、坂本九さんのステージ、ということだったと思います。
僕は演奏が終わり、緞帳が下りて舞台袖に入ると、袖奥の暗い場所に、白っぽいジャケットの方がいらして、こちらに歩いてこられ、僕とすれ違い様に、

「お疲れ様でした…」

とおっしゃって下さいました!

あの笑顔の、坂本九、である事は分かりましたが、余りに突然な事に言葉が出なく、会釈だけをしました。
振り向くと、あの方は、暗い袖から光り輝くステージに吸い込まれるように歩いて行かれました。

僕にとっては数秒の出来事でしたが、あの笑顔でかけて頂いた言葉が宝物のようです。
自分勝手ながら、プロなりたての自分に頑張れよって言って下さったような気さえしていました。

いつか、こんな方のバックの仕事をしたい
こんな方のバックができるミュージシャンになりたいと思いました!

実は今回、写真のピアニスト梢チャンから、思いがけず、坂本九さんの奥様、二人の娘さんのコンサートの仕事を頂き、昨日リハーサルに行きました。
坂本九さんの創られたご家族は、やはり優しさ思いやりに包まれたもので、素敵な雰囲気の中でのリハーサルでした。

ほとんど坂本九さんの曲でしたが、2曲だけ初めての曲がありました。1曲は坂本九さんご本人が唄ったモノと一緒に演奏するものです。

いつかこんな方のバックをやりたいと思った事が、こんな形で実現したんです…

もう1曲は奥様が書いた詩です。
多分九さんへの想いを書かれたのだと思いますが、ドラムを叩きながらなんだか込み上げてきて泣きそうになりましたが、ここで泣いたら変な奴だと思われてしまうので、グッと我慢です…

今も坂本九さんの存在を感じます!
本当に素晴らしい歌い手であり、素晴らしい人だと思います。
コンサートは12/3銀座ヤマハホールです。

この機会をくれた梢チャンに感謝

つたない長文に付き合ってくれたあなたにも感謝

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